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title: "愛は日テレを少し救ったのかもしれない"
slug: "ai-wa-nittere-wo-sukutta-no-kamoshirenai"
publishedAt: "2026-07-10T14:50:20.441Z"
updatedAt: "2026-07-10T14:50:20.607Z"
tags: ["日本テレビ","フジテレビ","テレビ"]
excerpt: "フジテレビが月9の恋愛ドラマを「このタイミングで男女の恋愛ものをやるべきではない」と中止したという。なぜそこを止めるのか。日テレも不祥事だらけなのに差がついた理由を、24時間テレビと27時間テレビから考えた。愛は日テレを少し救ったのかもしれない。"
canonical: "https://ishinao.net/ai-wa-nittere-wo-sukutta-no-kamoshirenai"
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フジテレビが2027年1月に予定していた月9の恋愛ドラマを中止した、という[記事を見た](https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2026/07/10/articles/20260709s00041000432000c.html)。佐藤二朗氏と橋本愛氏をめぐる一件が起きたドラマの題材が夫婦だったため、上層部が「男女の恋愛ものをこのタイミングでやるべきではない」と判断したらしい。

いや、そこなのか。問題は恋愛ドラマを作ったことではなく、制作現場で何が起き、その後どう対応したかだと思う。男女の恋愛を画面から消すと何が改善するんだろう。

フジテレビは中居正広氏をめぐる問題で大変なことになり、経営陣が入れ替わった。もちろん、まだ立て直しの途中ではある。それにしても、出てくる対策が時々おかしい。ずっと迷走しているようにも見える。

地上波テレビ放送そのものが変革期に入っているので、どの局も大変なのだろう。では、なぜフジテレビだけがこんなにおかしくなっているのか。フジテレビの次くらいに昔のテレビ局らしい無茶をやってきた日本テレビは、今のところフジテレビほどひどい目には遭っていない。何が違ったんだろう。

日テレがまともだった、という話ではない。2003年にはプロデューサーが視聴率調査世帯を割り出し、番組を見るよう依頼して金品を渡すという、ものすごく直接的な[視聴率操作事件](https://www.ntv.co.jp/info/pressrelease/20031118.html)を起こしている。視聴率が大事だから視聴率を上げよう。気持ちは分かるが、雑。

『世界の果てまでイッテQ！』では、現地にもともとある祭りのように紹介した企画が、実際には番組のために用意されたものだった。BPOは二つの祭り企画を[放送倫理違反と判断した](https://www.bpo.gr.jp/?p=9949)。2023年には日本海テレビの元幹部による24時間テレビ寄付金の着服が発覚した。『セクシー田中さん』では、原作者の意向が制作過程できちんと扱われなかった問題が起き、日テレは[97ページの調査報告書](https://www.ntv.co.jp/info/pressrelease/pdf/20240531-2.pdf)を出すことになった。

並べてみると、日テレも十分にひどい。たぶんフジテレビと同じくらい、バブル前後のテレビ業界でしか成立しない妙な文化を育ててきたのだと思う。視聴率のためなら多少の無茶はする。出演者にもスタッフにも無理をさせる。テレビで面白く見えれば、現実の細かいところはあとで考える。似たようなものだったはずだ。

ただ、日テレの問題は、少なくとも外から見える範囲では、個別番組や制作部門、系列局の問題として切り分けられてきた。一方、フジテレビの中居問題では、芸能人との関係、被害を知ったあとの対応、人事、経営陣、取締役会、記者会見まで一緒につながってしまった。[第三者委員会の報告書](https://www.fujimediahd.co.jp/pdf/a4je2TW3uRiKDM8W.pdf)を読むと、番組制作の失敗ではなく、会社全体の運営がおかしかったという話になっている。

この差には、もしかしたら24時間テレビが少しくらい関係しているのではないか、などと思ってしまった。

24時間テレビはネットではあまり評判がよくない。感動の押し売り、障害者の見世物化、チャリティーを使った商売、出演者にはギャラを払うのか、と毎年いろいろ言われる。わたしも積極的に見たい番組ではない。というか見ていない。

それでも、あの番組を続けるには、福祉団体、自治体、ボランティア、寄付する人たちと付き合わなければならない。善意をテレビ番組にしている、と皮肉を言うことはできる。しかし善意を番組にするためには、本物の善意との関わりは濃くなる。テレビ業界の内輪だけで話を済ませることはできない。

実際、寄付金着服が発覚したあとは番組制作が数カ月止まり、2024年のテーマは「愛は地球を救う」から[「愛は地球を救うのか？」](https://www.ntv.co.jp/24h/articles/60qjf9l4ulu0f0trkq.html)に変わった。対応が十分だったかは知らないが、「人気番組だから今年もやります」だけでは済ませられなかったらしい。公益性を看板にした以上、その看板に日テレ自身も少し縛られる。

それに対抗するように作られたフジテレビの27時間テレビは、チャリティーではなく[お祭りをやろうとして始まった](https://news.mynavi.jp/article/heiseitv-6/)番組である。こちらはクソバラエティを長時間やること自体が目的である。もちろん面白い年もあった。クソかどうかはその年による。

ただ、長時間の生放送で芸能人とスタッフに無茶をさせ、それをやり切って盛り上がる番組を会社の象徴として続けていると、無茶を止める人より、無茶を実現した人のほうが偉くなりそうではある。実際の人事がどうだったのかは知らない。でもまあ、なりそうだよね。

日テレも24時間テレビという巨大な無茶を毎年やってきた点では同じである。ただし、その横には「集めた金を支援先へ届ける」という、番組の面白さとは関係ない仕事がある。ここだけは、ノリでどうにかするわけにはいかない。実際には系列局の元幹部に着服されてしまったのだが、発覚したら大問題になる程度には、外の基準があった。

根本的には、どちらも似たようなレベルだったのだと思う。ただ、日テレには24時間テレビという面倒な建前があり、それが完全な無法状態になるのを少しだけ邪魔していた。そんな小さな違いが何十年も積み重なって、いまの差になったのかもしれない。

愛は地球を救ったのかは分からないが、日テレがフジテレビになることは、少し防いだのかもしれない。などと思った。
