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title: "ドイツの音楽教育と日本人のカラオケ力を一応調べた"
slug: "germany-music-education-fact-check"
publishedAt: "2026-07-06T13:20:11.039Z"
updatedAt: "2026-07-06T13:20:11.303Z"
tags: ["ドイツ","音楽教育","カラオケ"]
excerpt: "Togetterで見かけた「ドイツでは学校で音楽を教えない」っぽい話。公式資料を見ると音楽教育は普通にある。ただ、専門教員不足や実施のばらつき、日本の小学校音楽358時間のしつこさを見ると、体感としての差はありそうだ。"
canonical: "https://ishinao.net/germany-music-education-fact-check"
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https://x.com/i/status/2072806490172195105

[専門的な教育を受けていない人が多いのに、日本人の多くが『カラオケ』でまあまあ正確に音を辿って声を出して歌えるのはかなり高度な事… ドイツで働いてる職業音楽家の投稿が話題に](https://togetter.com/li/2716654)

Togetterで、ドイツ人は日本人ほど普通に歌えない、という話を見かけた。日本人は専門的な音楽教育を受けていなくても、カラオケでだいたい音を取って歌える。ドイツではこれはあり得ない現象なのだという。

へえ。そうなのか。

日本では小学校から歌を歌い、鍵盤ハーモニカを吹き、リコーダーを吹く。合唱もする。わたしも音楽が得意だった記憶はまったくないが、たしかに一通りやらされた。だから日本人は平均的に音程を追えるのだ、と言われると、なんとなく納得できる。

しかも投稿しているのは、ドイツで働いている職業音楽家である。現地に住む音楽の専門家がそう言うのなら、まあそうなんだろう。海外雑学として出来がいい。そのまま誰かに話したくなる。

ただ、Togetterにまとめられた一連の投稿を読むと、話はもう少し強かった。ドイツでは初等教育になると日本のような音楽教育は行わず、小学校の先生には初歩の音楽を教える義務がない。音楽をやりたい子は放課後に地域の音楽学校へ通う。日本でやる合唱やリコーダーや鍵盤ハーモニカを、ドイツではやっていない。だいたいそんな説明になっていた。

そこまで言われると、本当なのかちょっと気になる。ドイツの小学校には、音楽の授業がほぼないという話に聞こえる。

ということで、改めて調べてみた。ドイツは州ごとに教育制度が違うので、まず全国一発で断定しにくい。ここがすでに面倒である。国として語りたいのに、州が出てくる。海外教育雑学あるある。

まず、ドイツの州文部大臣会議にあたるKMKの2024年の小学校に関する合意文書を見ると、音楽について、歌う、踊る、演奏することを通じて音楽を扱う、といった説明がある。少なくとも「学校教育に音楽がない」ではない。

[KMK・小学校に関する合意文書（2024年）](https://www.kmk.org/fileadmin/Dateien/veroeffentlichungen_beschluesse/2024/2024_03_15-Vereinbarung-Grundschule.pdf)

バイエルン州の公式カリキュラムも見た。

[バイエルン州・小学校の音楽科目](https://www.lehrplanplus.bayern.de/fachprofil/grundschule/musik)

ある。普通にある。

しかも、音楽を聴いて感想を述べましょう、くらいではない。歌う、楽器を演奏する、踊る、即興する。学校生活の中で日常的に歌うことまで書かれている。3・4年生では、歌を覚え、発音や呼吸を意識し、リズムと音程を安定させて歌い、ボディパーカッションや楽器も使うことになっている。

[バイエルン州・小学校3、4年生の音楽カリキュラム](https://www.lehrplanplus.bayern.de/fachlehrplan/grundschule/3/musik/einstuendig)

バーデン＝ヴュルテンベルク州のカリキュラムにも、声の扱い、発声、歌唱、器楽演奏が普通に出てくる。中等教育側では、ロック、ポップス、シュラーガー、民謡、政治的・宗教的な歌などを歌う、といった記述もある。思っていたより普通に歌っている。少なくとも書類上は。

[バーデン＝ヴュルテンベルク州・小学校音楽カリキュラム](https://www.bildungsplaene-bw.de/%2CLde/BP2016BW_ALLG_GS_MUS)

ここまで見ると、「ドイツでは学校で音楽をやっていない」はかなり強すぎる。制度上はある。公式カリキュラムにもある。歌唱も楽器もある。

ただ、ここで終わると、それはそれで雑な反論になりそうだ。カリキュラムにあることと、実際にどれくらい行われているかは別の話である。日本の学校でも、学習指導要領に書いてあるから全国どこでも同じ熱量で同じ質の授業がされている、とは言い切れない。ドイツは州差も学校差もさらに大きそうだ。

ドイツ音楽情報センター（MIZ）の解説では、音楽は小学校・中等教育のカリキュラムに根付いている一方、連邦制なので16州で条件がかなり違い、近年は音楽教員不足や授業の喪失が問題になっている、と説明されている。

[MIZ・Music in Germany’s State Education System](https://miz.org/en/articles/music-in-germanys-state-education-system)

さらにドイツ音楽評議会の調査を見ると、ドイツの小学校では音楽の授業が義務教育の中にあるものの、専門的に音楽を教えられる教員が足りない、という話がかなり強く出ている。音楽授業の比率に対して、音楽の教員資格を持つ人の供給が足りない。州によって事情は違うが、専門教員不足は全体としてかなり深刻そうだ。

[Deutscher Musikrat・Musikunterricht in der Grundschule](https://www.musikrat.de/fileadmin/redaktion/Media/DMR_Instagram/DMR_Studie_Musikunterricht_in_der_Grundschule_final.pdf)

つまり、ドイツ側は「音楽教育がない」ではなく、「音楽教育は制度上ある。しかし、州差・学校差・専門教員不足・実施のばらつきがかなりありそう」と見るのがよさそうだ。元投稿の人が見ている現場感は、そのあたりから来ているのかもしれない。

一方、日本側も少し確認した。文部科学省の標準授業時数では、小学校6年間の音楽は68、70、60、60、50、50で合計358単位時間になっている。小学生を6年間かけて、まあまあしつこく音楽にさらす。しつこいと言うと怒られそうだが、しつこい。

[文部科学省・小学校の標準授業時数について](https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2015/11/09/1363415_006.pdf)

学習指導要領の音楽を見ると、歌唱では階名唱、合唱や合奏を通した和音や響き、器楽では1・2年で身近な楽器、3・4年でリコーダーや鍵盤楽器などが出てくる。わたしたちの記憶にある鍵盤ハーモニカとリコーダーは、だいたい公式の世界にもいる。幻覚ではなかった。

[文部科学省・小学校学習指導要領 音楽](https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1319999.htm)

一方、まとめへの反応には、ドイツに音楽の実技教育がないのではなく、日本ほど国民全員に音程を合わせる反復練習をさせる国が珍しいのだ、という説明もあった。これはかなりありそうに感じる。

日本は全国共通の学習指導要領のもとで、歌唱、合唱、鍵盤ハーモニカ、リコーダーなどを長いあいだ繰り返す。音楽の授業だけでなく、入学式、卒業式、音楽会などでも、周囲の声を聞きながら一緒に歌わされる。上手に歌うところまでは行かなくても、音程がずれたらなんとなく分かる環境にはかなり長く置かれる。平均値が上がる理由としては筋が通っている。

ただ、ドイツ側のカリキュラムにも、音程を合わせる練習や、リズムと音程を安定させて歌うことは書かれている。違いがあるとすれば、実技教育の有無ではなく、授業量、実施のばらつき、全員に同じ経験をさせる度合い、そして専門教員がどれくらい安定しているか、あたりなのだろう。

つまり、元の話にはそれなりに実感として正しい部分があるのかもしれない。日本人は平均的にカラオケで音を追いやすい。ドイツではそこまで平均的ではない。これはありそうだ。

ただ、そこから理由を説明しようとして、「ドイツでは学校で音楽をやっていない」まで話を大きくすると、急に怪しくなる。

「わたしの周囲ではこうだった」と「ドイツでは学校で音楽を教えない」は、だいぶ距離がある。途中に州、地域、学校、先生、世代、本人の観測範囲などが挟まっている。全部飛び越えると、身近な経験がそのまま一国の教育制度になる。育ちがいい。話の育ちが。

こういう話はネット上にたくさんある。海外在住者が語るその国の常識、業界人が語る業界の常識、親が語る今どきの学校、会社員が語る最近の若者。具体的な経験から出ているので、統計や制度の説明よりも手触りがあり、つい信じたくなる。何より面白い。

そして今回の話を信じても、たぶん大きな害はない。ドイツ人に会ったとき、「歌えないんですよね？」といきなりマイクを渡すくらいだろう。十分迷惑か。

ただ、害の小さい雑学で何でも信じる癖をつけておくと、政治や医療や金の話でも同じ動きをしそうではある。海外在住や専門家という肩書は話を聞く理由にはなるが、確認しなくていい理由にはならない。

今後は「へえ」と思ったあと、誰かに話したくなった段階で一度だけ検索してみようと思う。毎回はやらない。そんなに立派な人間ではない。でも、今どきネットやAIなど調べるツールがたくさん用意されている。軽く調べるクセくらいはつけたほうが良さそう。
