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title: "ミュージシャンの政治思想まで名曲とは限らない"
slug: "musician-political-opinion-is-not-always-a-masterpiece"
publishedAt: "2026-07-28T08:09:45.572Z"
updatedAt: "2026-07-28T08:13:53.940Z"
tags: ["音楽","政治","表現"]
excerpt: "ミュージシャンは表現のプロだと思う。政治を語るのも構わない。ただ、「声を上げた」「自分の頭で考えた」という行為自体が、内容の品質まで保証するわけではない。職業に結びついた場で出すなら、プロの表現として出してほしい。"
canonical: "https://ishinao.net/musician-political-opinion-is-not-always-a-masterpiece"
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[はてな匿名ダイアリー: ミュージシャンなら音楽で意見表明しろ👈️これ](https://anond.hatelabo.jp/20260728074712)

「ミュージシャンなら音楽で意見表明しろ」という意見に対して、はてな匿名ダイアリーにこんなことが書かれていた。

じゃあトラック運転手はトラックで意思表示しなきゃならんのか？

デコトラとか。

デコトラはちょっと面白い。

ただ、元の批判は、職業に使う道具で意思表示しろという話ではないと思う。ミュージシャンとして活動する場で、音楽と関係ないことを発表するな。だいたいそんな意味だろう。

個人的には、別にいろいろなことを発表して構わないと思う。

わたしはミュージシャンを音楽のプロフェッショナルであると同時に、表現のプロフェッショナルだと思っている。歌詞も、衣装も、映像も、ライブでの発言も含めてのプロフェッショナルだ。そこに思想や政治的な意見が入ることも昔からある。音楽だけやって黙っていろ、というのも乱暴である。

ただし、表現のプロとは思えないコンテンツを発表されると、いやー、それは職業と結びついた場では発表しないほうがいいのでは、と思ってしまう。

音楽については、何年も技術を磨き、何度も作り直し、周囲の人間と相談しながら、かなり洗練されたものを発表する。ところが政治の話になると、急にどこかで見かけた言葉をそのまま持ってきたような発言が出てくることがある。

公式アカウントやライブのMCなど、ミュージシャンとして集めた観客へ向けて発表するなら、こちらもその人の表現活動として受け取る。そこで急に素人仕事の政治コンテンツを出されても困る。

そして批判されると、「表現者が声を上げることには意味がある」と別の評価軸を示される。声を上げること自体を止めたいわけではない。言うのは自由である。こちらが「ずいぶん雑だな」と思うのも自由である。

この感覚は、先日書いた[「自分の頭で考える」だけではゴミクズである](https://ishinao.net/thinking-alone-produces-garbage)という話と少し似ている。

「自分の頭で考えた」「表現者として声を上げた」。その行為自体に価値があり、出てきた意見まで尊ばれるべきだ、という扱いである。しかし、自分で考えたことと、その結論が正しいことは別だ。声を上げたことと、内容がよくできていることも別である。

本業と同じくらい洗練された内容を出してくれ、といっても、政治発言まで格好よく演出しろという話ではない。せめてきちんと調べて、過去の議論や事実を踏まえたうえで、自分の言葉で組み立てた形跡くらい見せてほしい。

個人の雑なつぶやきとして出すなら、まあ雑なつぶやきとして読む。しかし職業上の表現の場へ載せるなら、なるほど、ちゃんと考えているのね。そのくらいは思わせてくれ。

ミュージシャンが政治思想を発表してもよい。ただ、その新曲を音楽と同じように受け入れる義務はこちらにはない。
