一億円は当たった。POPOPOは半年で終わった
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POPOPO、2026年9月17日でサービス終了。開始から約半年
2026年3月18日に始まったアバター通話アプリ「POPOPO」が、9月17日で終了する。公式発表は7月15日。始まってから終了の発表まで四カ月、実際の運営期間でもほぼ半年である。
POPOPOは、川上量生が個人で全額を出資し、GACKT、西村博之、庵野秀明などビッグネームを取締役に並べて始まった。サービス開始時には一億円が一人に当たるキャンペーンも開催された。当選者一名は公式に発表されているので、一億円はすでに当選済み。そしてPOPOPOは終わった。
何をするアプリだったのか
POPOPOは自分の姿をカメラに映さず、アバターで複数人の通話やライブ配信をするアプリだった。会話に合わせて自動的にカメラを切り替え、テレビ番組のような映像を作る。運営はこれを「カメラのいらないテレビ電話」と説明していた。
技術的には面白い。スマートフォンに向かって話すだけで、アバターが動き、カメラも勝手に切り替わる。VTuber配信を簡単にしたもの、あるいはVRChatの会話部分だけをスマートフォンへ持ってきたもの、と考えると分かりやすい。実際、VRChat利用者からは、VRと普通のスマートフォン利用者をつなぐ可能性を評価する感想も出ていた。
ただ、サービス開始時から、これを誰が日常的に使うのかはよく分からなかった。関係者や宣伝に参加した人以外から「これは良さそうだ」という反応をあまり見かけなかった。
服を着替える前に、まず顔を作らせてほしい
POPOPOには四百種類以上の「ホロスーツ」が用意されていた。人間型だけでなく、寿司や惑星のような変な姿にもなれたらしい。運営はホロスーツを分身やアバターではなく、着替える服として説明していた。
たぶん、ここがかなり怪しかったと思う。
VTuberやVRChatでアバターを使う人にとって、アバターは服よりも本人に近い。顔、髪型、色、体形を選び、自分のキャラクターとして使う。ところがPOPOPOでは、用意された似たようなキャラクターから選ぶのが基本だった。自分のVRMを持ち込む機能もなかった。
そしてサービス終了のお知らせと同時に公開された最後の更新予定に、ようやく外部ホロスーツ、つまりVRMの持ち込みが入っている。終了すると決まってから、自分の顔を持ち込めるようになった。
最初から自由なVRM対応をするのが重いのは分かる。それでも顔、髪、目、色くらいは選べないと、アバターで発信する意味がかなり減る。自分という個性が限りなく薄まる。
サブセットは簡単なだけでは足りない
POPOPOは、VTuber配信やVRChatから難しい部分を削ったサブセットに見える。高価な機材はいらない。3D空間の操作もいらない。スマートフォンだけで話せる。
しかし人間は、使わない機能でも削られると少し損をした気分になる。フルセットがすでに存在する市場で、機能の少ないものを出すなら、特定の使い方だけはフルセットより良くなければならない。簡単だけどしょぼい、では選ばれない。
POPOPOなら、VRMを持ち込める。URLを送るだけでゲストが参加できる。YouTubeやTwitchへそのまま配信できる。複数人が登場するアバター番組を配信するなら、他の方法より圧倒的に楽。そのくらいまで用途を絞れば、VTuber版のStreamYardのような道はあったかもしれない。
変なアバターと面白い映像は別
もう一つ、POPOPOの独自機能だった自動カメラも、少しおとなしかった。会話している人へ自然にカメラを向け、テレビのトーク番組風に見せる。きれいには動く。しかし、それだけでは一度見れば十分である。
せっかく自動で映像を作るなら、もっと乱暴でもよかった。話している内容やアバター、コメントなどに応じて派手な演出が出てくるとか。例えばニコニコ動画でも、単にコメントが動画上を流れるだけでなく、弾幕文化などの演出の工夫が現れたからこそ、あそこまで盛り上がったのでは?
寿司や惑星のアバターを用意するより、そちらのほうが映像としては面白い。寿司が普通のトーク番組の画角で座っていても、最初に少し変だと思うだけで、その後は普通の会話である。
技術的に細かく考えればそれなりに面白いけれど、それ以外はあまり面白くない。POPOPOは最後まで、その問題を越えられなかったように見える。
一億円を配る前に、とっとと顔を作れるようにしたほうがよかった気がするが、まあ顔があっても終わった可能性は十分ある。