普通の分譲マンションも破綻含みでは?
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日本経済新聞「小規模マンションを切り捨てる管理会社 『うまみない』と突然解約」
このニュースは通常の住居用マンションの話だが、権利分割型のリゾートマンションなどの破綻話を最近よく聞く。資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-などでよく取り上げられている。
管理費が上がる。設備は古くなる。使う人は減る。売ろうとしても値がつかない。それでも所有権に付随する固定資産税の請求と、施設利用費や管理費の請求がそれなりにかかり続ける。リゾートマンションというちょっと楽しそうな響きを持つものが、金を払っても手放せない負の資産となっていく。
まあリゾートマンションだからね。毎日住むわけでもないし、場所も不便だったりするし、そりゃそうなる物件もあるだろう。本来はお金持ちの道楽的なものだし、それくらいの負担は余裕っしょ。
とかそっち系の話はあまり大事には思っていなかったりしたんだけど、ただこれ、普通の住宅用分譲マンションもほとんど同じリスクを持っているんじゃないの?と思うことがある。
個人的には分譲マンションというものをなんとなく信用できず、戸建てを選んだ。建物を大勢で共有し、数十年先までみんなでお金を出し合い、修繕し、最後は建て替えるか壊すかを話し合う。そんなにうまくいくものなんだろうか。
分譲マンションはすっかり普通の住宅になっている。国土交通省によると、2024年末のストックは約713万戸で、約1600万人が住んでいる。1968年には約5.7万戸だったものが、半世紀ほどでここまで増えている。
ただし、現在の管理組合を基本とした制度が整ったのは1983年の区分所有法改正以降である。分譲マンションを大量に作り、住民同士で管理し、建物の寿命まで運営するという仕組みは、社会制度としてはそんなに長い実績がない。
そして、これから一斉に古いものが目立ちはじめる。築40年以上のマンションは2024年末で約148万戸。2044年には約483万戸になる見込みだという。ほぼこれからである。
国交省の2023年度調査では、修繕積立金が計画より不足しているマンションが36.6%あった。25年以上の長期修繕計画に基づいて積立額を決めているマンションも59.8%にとどまる。建物が本格的に古くなる前から、すでにお金が足りないところが結構ある。
しかも管理会社は、マンションと一生を添い遂げる契約ではない。国交省の標準管理委託契約では、管理組合と管理会社のどちらからでも、3か月前に申し入れれば解約できる。小規模で古く、手間がかかるわりに管理費を上げられない物件なら、管理会社から断られても不思議ではない。冒頭の記事はその話である。
私は、本物の大手デベロッパーが開発から管理まで続けている物件なら、まだ少しは信用できるかもしれないと思っていた。会社が大きければ、突然消える可能性は低いし、管理のノウハウもある。
ただ、分譲した時点で建物の管理主体は区分所有者全員でつくる管理組合になる。系列の管理会社も、法的には管理組合から仕事を受けている会社である。不採算になっても最後まで残ると約束しているわけではない。大手という看板は安心材料ではあるが、終身保証ではなかった。
建物の最後をどうするかという実績も少ない。2025年3月末までに建て替えが完了したマンションは、累計323件、約2万6000戸。700万戸以上あるうちの2万6000戸である。これで分譲マンションは建物寿命の最後まで安定して運用できる仕組みです、と言われても、まだサンプルが少なくない?と思う。
普通の分譲マンションには、リゾートマンションとは違っている部分もある。毎日住める。人に貸せる。便利な場所なら中古でも買う人がいる。土地の持分もある。リゾート物件よりは長く価値が残る可能性が高い。
でも、建物が古くなり、住民も高齢化し、空室と賃貸住戸が増え、修繕費が足りなくなったらどうなるのか。売れない。管理費はかかる。修繕には金が要る。壊すにも建て替えるにも、ほかの所有者との合意が要る。リゾートマンションの破綻話とそんなに変わらないことになりそうな気がする。違うのは、そこへ到着するまでの時間だけなのかもしれない。
戸建ても古くなる。雨漏りするし、シロアリも来るし、最後は解体費用もかかる。別に安全ではない。
それでも私は、築古戸建てをリフォームしたり、DIYで直したりしながら使う方向のほうがマシな気がしている。直す。直さない。応急処置で済ませる。諦めて壊す。その判断を基本的には自分で決められる。
築古戸建ての床を剥がして「ああ腐っているな」と発見してしまう方が、分譲マンションの外壁にひび割れを見つけたりするよりも、まだ気が楽な気がする。腐っている場所が見えるし、直すかどうか、どう直すのか決めるのも自分だけで済むから。