ファンタ新味から肉ジュースまで
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ファンタ新味というキーワードを見かけた。
何味が出たのだろう。というか、わたしはファンタについてオレンジとグレープくらいしか知らない。あとフルーツパンチみたいなものもあった気がする。あれは定着したのだろうか。定着したのか、一瞬だけ現れて消えたのか、それすらよくわからない。
わたしの中のファンタは、コカ・コーラボトラーズがコカ・コーラのコーラ味以外になんとなく別名を付けたもの、くらいの位置にある。コーラじゃない甘い炭酸飲料にファンタという名前をつけている。たぶん雑な認識だ。ファンタ警察がいたら取り締まられるかもしれない。
スプライトも似たような場所にある。コカ・コーラのコーラ抜き。いや、それはもうただの炭酸水ではないか。実際にはレモンライム風味なのだろうけど、わたしの頭の中では、コカ・コーラ社の棚にある、コーラではない透明な炭酸飲料の一員、くらいの雑な分類で処理されている。
そう考えると、ファンタの新味というのはガリガリ君の新味に少し似ている。ガリガリ君もソーダ味が基本で、それ以外は時々よくわからない味が出てくるもの、くらいの印象がある。梨味とかならわかる。コーラ味もわかる。コーンポタージュ味まで行くと、急に会議室の空気が見たくなる。誰が最初に言い出したのか。誰が止めなかったのか。
でも、ガリガリ君コーンポタージュ味がありなら、ファンタコーンポタージュ味もありなのかもしれない。いや、それはもう缶のコーンポタージュではないか。炭酸が入っているかどうかが違うのか。コーンポタージュに炭酸が入っていたら、それはファンタなのか。ファンタにコーンポタージュが入っていたら、それはコーンポタージュなのか。だんだんよくわからなくなってくる。
ファンタおでん味。これはおでん缶だ。ファンタお汁粉味。これは意外とありそうな気もする。炭酸お汁粉は嫌だけど、甘い豆の飲み物としては、どこかの国に普通にありそうだ。ファンタ肉じゃが味。これはさすがに嫌だ。ファンタ味噌汁味。もう味噌汁でいい。
そういえば、ジュースという言葉も日本語ではだいぶ広い。水とお茶以外の甘い飲み物を、だいたいジュースと呼んでいる気がする。子どもに「ジュース飲む?」と聞いて、オレンジジュースだけを指している人は少ない。炭酸飲料でも乳酸菌飲料でも、だいたいジュース枠に入っている。
でも英語の juice は、もう少し搾り汁っぽい言葉らしい。果物を搾ったもの。何かからにじみ出たもの。そう考えると、なんでもジュースという日本語はかなり雑だ。甘い飲み物全般をジュースに放り込んでいる。言葉の冷蔵庫が大きい。
肉汁。肉ジュース。
そういえば肉汁は「にくじゅう」と読むのが一応それっぽいのだろうけど、「にくじる」と読んでもほとんど通じる。というか、日常会話では「にくじる」と言っている人のほうが多い気もする。正しく「にくじゅう」と読んでいる人の音を聞いても、「ああ、にくじると言ったのね」と脳内補正されて、自分の認識が修正される機会が少ない。
肉の汁。わかりやすい。にくじる。強い。
では肉汁は juice なのか。肉から出た液体ではある。meat juice と言われると急に嫌な感じがするが、肉汁と書けばおいしそうだ。言葉というのはだいじだ。肉汁はうまい。肉ジュースはちょっと飲みたくない。
で、ファンタは何味が出たのか。
最後に答え合わせをすると、ローソン限定で出たのは「ファンタ アンバサ×メローイエロー ホワイトグレープ&シトラス」らしい。
長い。思ったよりだいぶ普通においしそうだ。ファンタおでん味ではなかった。よかった。いや、少しだけ残念でもある。