暮らし情報ではなく、仕事をしない時間の使い方の話かもしれない

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はてな匿名ダイアリー: 男は暮らしに興味がないのか

「男は暮らしに興味がないのか」という増田を読んだ。

40代後半でFIREした一人暮らしの人が、余裕ができたので暮らし方を調べ始めたら、男性向けの暮らし情報があまりない、という話である。

最初に思ったのは、暮らしってそんなに男女で違うのかな、ということだ。

料理、掃除、収納、家計、健康、部屋づくり。男女でまったく同じとは言わないが、同じくらいの年代の一人暮らしなら、女性向けの本や雑誌を読んで、自分にいらないところを省いたり読み替えたりすれば、ほとんど使えるのではないか。趣味の話は男女以前に個人差が大きいし、逆に暮らしの基礎は共通部分が多そうに見える。

試しに生活情報誌で検索してみた。思ったほど女性専用という感じではない。別に男性お断りの空気が出ているわけではない。

ただ、読者としては女性のほうが多そうだし、誌面で想定されている生活者も女性寄りには見える。昔からある定番の暮らし情報誌には、専業主婦が今よりずっと多かった時代の主婦向け、婦人向け雑誌としての歴史を持つものも多い。そう考えると、「暮らし」の語り口が女性寄りになるのは自然ではある。

もう一つ気づいたのは、年を取ってからの暮らし情報には、女性一人の絵面が多い気がすることだ。これも単なる編集部の偏りというより、平均寿命や夫婦の年齢差を考えると、老後を一人で過ごす女性が多いという人口構成の反映なのかもしれない。

だから、「男性向けの暮らし情報が少ない」という観察自体は、分からなくもない。少なくとも男性専用みたいなものは少なそうだ。

ただ、そこまで考えたあとで、そもそも元増田の人は本当に暮らし情報を必要としているのだろうか、という疑問が出てきた。

40代後半で一人暮らしをして、FIREできるくらい生活費を管理できていて、豪遊に興味もない。たぶん生活は普通に回っている。食事、掃除、洗濯、家計、趣味、時間の使い方。少なくとも、生活が崩壊して困っている人ではなさそうだ。

それなら、雑誌や本で新しい暮らしのモデルケースを探すより、今までどおりの生活と趣味を続ければいいのでは、という気もする。追加収入がなくなるぶんの家計調整は必要だろうが、それは暮らし方というより予算管理の話である。

わたしは、仕事がなくてもやりたいことや、やっていることが多い。時間はいくらあってもいい。読むもの、作るもの、調べるもの、試すものがいくらでもある。時間が余ったら余ったで寝てもいい。昼寝は暮らしである。

でも、人によっては仕事が生活の大きな骨組みになっているのだろう。仕事がなくなると、朝起きる理由、外に出る理由、人と話す理由、平日と休日の差が減る。その空白を「暮らし方」として探しているのかもしれない。

そう考えると、これは男性向けの暮らし情報がない話ではないのかもしれない。

生活はすでに回っている。問題は、仕事がなくなったあとの時間をどう扱うかである。

元増田は「男は暮らしに興味がないのか」と書いているが、たぶん本当に探しているのは、男性向けの掃除術や収納術ではなく、FIRE後の中年一人暮らしがどういう日々を送ればいいのかというモデルなのだろう。

だとすると、問題提起は少しズレている気がする。

暮らし情報が足りないのではなく、仕事をしない時間の使い方の正解が見えない。そういう話として読むほうが、わたしにはしっくりきた。

そして、そんなのに正解なんてない、とも思った。

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