ピックルボールに感じる違和感

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最近、ピックルボールの話題をよく見かける。

アメリカで流行っているらしい。これから日本でも来るらしい。ニュースでもスポーツ系の記事でも、「次に来るスポーツ」みたいな顔で紹介される。

なんだろう。不自然に話題になっている気がする。

競技としてのポジションはわかる。卓球とバドミントンとテニスの中間くらい。コートは小さめ。ラケットは短め。ボールは軽め。テニスほど走らなくてもよく、テニスほどボールが飛びすぎず、テニスほどボールの速さ・強さに絶望させられにくい。

身体能力や技術があまりなくても、最初からゲームっぽいものになりやすい。年齢差も出にくい。家族や友人とゆるく遊ぶにはよさそう。そこまではわかる。

ただ、それは日曜日に公園でやるバドミントンくらいの嬉しさではないのか、と思ってしまう。温泉旅館でやる素人の卓球くらいの嬉しさではないのか、と思ってしまう。

公園バドミントンは楽しい。ちゃんと楽しい。風が吹くとすぐ終わるし、ネットもないし、羽根も変な方向に飛ぶけど、楽しい。運動不足の体にちょうどいいし、家族で遊ぶにもよい。スポーツの入口としてはかなり良い。温泉卓球は素人でも熱く戦える。

ピックルボールの「始めやすい」という魅力は、かなりその方向の話に見える。それならそれでいい。よくわかる。

でも、ニュースで流れてくるピックルボールは、そういう顔だけではない。プロリーグ。賞金。セレブ投資。急成長スポーツ市場。専用施設。なんだかすごく商売人っぽい顔をしている。

そこが変に見える。

入口の価値は、ゆるく始められることにある。なのに、出口の見せ方はプロスポーツ市場になっている。日曜の公園遊びの親戚みたいなものが、投資家向け資料の顔をしてくる。

さらに言うと、そこまでして新しいスポーツを作る必要があるのか、という気もする。

テニスをもう少し強度を低くしたルールで遊べるようにすれば、それで十分ではないか。コートはそのまま使える。ネットもそのまま使える。ラケットもテニスの延長でいい。

たとえばジュニアラケットを使う。子供用のオレンジボールを使う。サーブはなしにして、アンダーからの球出しスタートにする。シングルスではなくダブルスメインにする。これだけでもかなり入口は低くなる。

フットワークを減らしたいなら、サービスラインより内側だけを使うスポーツにしてもいい。コート全面を走らない。ボールも速くない。最初からラリーっぽいものができる。

それでだいたい良くないか。

もちろん、それでは「新しい市場」になりにくい。

既存のテニスコートで、既存のラケットの延長にある道具を使って、低強度テニスとして遊びましょう、では新しい専用用品は売りにくい。専用施設も作りにくい。プロリーグ化もしにくい。ニュースにもなりにくい。

ピックルボールは、そこが違う。新しい競技名があり、新しい道具があり、新しい施設があり、新しい協会や大会やレッスンがある。商売としては、たしかに作りやすい。

アメリカでは実際に競技人口が伸びているらしい。SFIAの数字では、2025年に約2430万人がプレーしたという扱いになっている。だから、完全に作られた流行というわけではないのだろう。

SFIA: U.S. Pickleball Participation

また、PPA TourとMajor League Pickleballの親会社となったPickleball Inc.には、2026年に2.25億ドルの投資が入ったという発表もある。ここまで来ると、もう単なる健康スポーツではない。競技、施設、用品、イベント、放映、スポンサーをまとめて市場にしようとしている感じがある。

Major League Pickleball: Pickleball Inc. investment announcement

つまり、実際に遊ぶ人が増えているところに、金をかけて流行らせたい人たちが乗っている。そういう構図なのだと思う。

競技として悪いとは思わない。むしろ普通に楽しそうではある。

ただ、ニュースで見るピックルボールは、楽しそうなスポーツというより、流行らせやすそうな商品に見える。

すごく違和感。

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