変な番組よりサッカーのほうが面白い、見ないけど

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Togetter: 母が変な番組よりサッカーの方が面白いとのことでW杯を観てる…「あんなに攻めてるのに点入んないんだもんね。すごいよね」と言っていて、少し守備の面白さに開眼した話

母が「変な番組を見るよりサッカーを見るほうが面白い」と言ってワールドカップを見ている、という話を見かけた。

私はサッカーは見ない。見ないのだけど、変な番組よりサッカーのほうが面白い、というのはなんとなくわかる。

変な番組とは何か。母が、という文脈から、なんとなくワイドショーとか、薄めのバラエティとか、どうでもいい話題を大きめに膨らませている番組を想像している。もちろん勝手な想像である。世の中には、ちゃんと面白い変な番組もあるだろう。変な番組という言い方もだいぶ雑だが。

それでも、どうでもいい話題を長く引っ張ったり、一瞬だけ笑わせるための小ネタを流し続ける番組を見るくらいなら、人間の中でもかなり上位の人たちが、体力と知力を使って本気で競っている姿を見るほうが、根源的には面白いのではないか、という気はする。

この話で面白いのは、「あんなに攻めてるのに点入んないんだもんね。すごいよね」というところだと思う。

サッカーを雑に見ると、点が入らない時間は何も起きていない時間に見える。ずっと走っている。ボールを回している。たまに攻める。でも入らない。では退屈なのか。

たぶんそうではない。点が入らないということは、点を入れようとしている側と、点を入れさせない側が拮抗しているということでもある。攻めている側が何もできていないのではなく、守っている側が何かをしている。走って、位置を取り、パスコースを消し、相手の選択肢を減らしている。もちろん私はサッカーに詳しくないので、かなり雰囲気で言っている。

でも、その雰囲気だけでも、点が入らない時間の見え方は変わる。何も起きていないのではなく、何かが起きないようにするための戦いが起きている。

これは他のスポーツでも同じだと思う。

たとえばサーキットでのレースは、興味がない人から見ると、同じところをぐるぐる走っているだけに見える。実際、同じところをぐるぐる走っている。それは間違っていない。

でも、タイヤの状態、燃料、ライン取り、前後の車との距離、ピットに入るタイミング、天候、マシンの差、ドライバーの集中力、そういうものを見始めると、同じ一周が同じ一周ではなくなる。前の一周と次の一周で、意味が変わる。

スポーツ観戦の面白さは、画面上で派手なことが起きているかどうかだけではないのだろう。自分がどれだけ状況を読めるか。どれだけ補助線を引けるか。そこにかなり依存している。

だから、分からないスポーツは退屈に見える。分かるスポーツは、地味な時間にも意味が出る。

この「意味が出る」というのがたぶん大事なのだと思う。

ワイドショーやバラエティは、最初から意味をわかりやすく包装して出してくれる。今怒るところです。今笑うところです。今泣けるところです。そういう感じで、視聴者が迷わないように作られている。もちろんそれはそれで技術だし、需要もある。疲れているときには、そういうもののほうが楽なこともある。

一方でスポーツは、最初から全部を説明してくれない。解説者はいるが、それでも見ている側の理解が浅いと、かなりの部分が通り過ぎていく。点が入らない。抜けない。追いつけない。守られる。そういうことが、ただの停滞に見える。

でも一度そこに意味を見つけると、急に情報量が増える。

たぶん、このお母さんは、守備の面白さに少し触れたのだろう。点が入らないことを、つまらなさではなく、すごさとして見た。そこに到達すると、サッカーはだいぶ違って見えそうだ。

ここまで書くと、なんだか自分もサッカーを見たほうがいい気がしてくる。ワールドカップくらい見てもいいのではないか。人類のトップ層が走って考えてぶつかって、しかも点が入らない時間にも意味がある。そりゃ面白そうである。

まあ、私はサッカーは見ないんだけどね。

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